Reading対策①
TOEFLの運営会社であるETS(Educational Testing Service, http://www.ets.org/toefl)は、問題のサンプルとしてこのPDF(http://www.ets.org/toefl/ibt/prepare/sample_questions)を配布しています。このReadingの問題 “Meteorite Impact and Dinosaur Extinction” を使って、効率的な英文の読み方を練習しましょう。
論文を読むときにもとても役立つのですが、意識すべきべきポイントは、What? (何を), How? (どうやって), と Why? (なぜ) です。
1.タイトルから内容を類推する
“Meteorite Impact and Dinosaur Extinction”
このタイトルは非常に分かりやすいですね。この文章は、Meteorite (隕石)の衝突とDinosaur Extinction (恐竜の絶滅)の関係について書かれていることが分かると思います。あらかじめ、「恐竜の絶滅に隕石の衝突はどういった影響(Impact)を与えたか?」と想像すると、内容が把握しやすいかもしれません。
物理的影響、その後の気候変動が関わってきそうな気がします...これはあくまで類推なので、自分なりのキーワードになりそうな単語が出てきたらOKです。
2.Introduction をじっくり読む
序文(introduction)を読んでみましょう。
「隕石の衝突は地球に大きな影響を与えたという証拠がますます出てきている...20世紀に2度巨大な隕石が地球に落ちたことが分かっている。」
さて、気がついた方がいらっしゃるかと思いますが、この導入部分は隕石の衝突は地球の生態系に大きな変化をもたらすよ~、という一般的な説明で、タイトルで出てきた恐竜に関する記述がありませんね。また、特に重要な主張は出てきていません。
僕たちが探すべきは、“恐竜と隕石の影響”についての記述なので、それが書かれている箇所をみつけなければいけません。どんどん次の段落に進みましょう!
3.主題を素早くみつける
さて、前の段落で出てこなかった文章の主題(一番言いたいこと)が出てくるかに注意して、第2段落を読みます。
...初めの2文には恐竜(dinosaurs)の記述はありません。最後から2番目の行に、ようやく the dinosaurs. と出てきます。
その文を初めから読むと、「地質学の記録において、数多くのまたはより大規模な絶滅があるが、Cretaceous 大規模な絶滅が常に Paleontologists の興味を引いてきた。なぜなら、それは恐竜時代の絶滅によって特徴づけられるからである。」と書いてあります。
Cretaceous (白亜紀)の絶滅と Paleontologists (古生物学者)はパッと訳が出てこなかったので、意図的に英語にしましたが、それ以外の部分が分かれば、大まかな内容は想像出来ると思います。このように分からない単語があっても、前後の文脈から意味を類推することは非常に重要です。
実は、この文章には未だ明確な主張は出てきていません。ただ、その次の文にも、「長く繁栄した恐竜が突然絶滅した」と畳みかけているので、これを主張と仮に見なします。
そこで、ブログのはじめに触れた「何 Why?」を出来るだけ明確にします。この文章の主張は何でしょうか?筆者は、”恐竜の絶滅を引き起こした白亜紀の隕石の衝突には注目すべきだよ!”という言いたいのです。
次に「それは、なぜ Why?この筆者はそれをどうやって主張するの How? 」と見方を変えて読み進めて行きましょう。どのように筆者はこの主張を導いたのか。主張には必ず証拠(evidence)が必要です。
4.Evidence を探す
ある主張には、必ずそれを裏付ける証拠があります。一般的に英語の論文はそれが非常に明確に現れます。第3段落ではその証拠を探しましょう。
The body ~
と初めの文にあります。重さの単位が書いてあり、衝突の大きさに言及していることがわかったでしょうか?つまり 「隕石の衝突の物理的な大きさが、地球に与えた影響の1つですよ」ということです。この段落は、衝突について細かく書いてあります。「衝突によって出来た粉塵雲が積もり、堆積層を作り...そこには隕石に含まれるイリジウムが...」とありますが、重要なのは、証拠を探すことなので、上記の下線部が分かればOKです。
証拠が1つしかないようでは、まだまだ主張として弱いです。次の段落も何か別の証拠が書かれているだろうと予想してみてください。
The impact ~ の文では、
「衝突は甚大なエネルギーを放出し...その爆発は100 トリリオン(桁が多い!)トンの塵を大気中に巻きあげた」とあります。さらに、「それらが太陽光を遮り、数か月の間、地球に寒冷と暗闇をもたらした」と。
これで分かりましたね。隕石の衝突によって巻きあがった粉塵により、気候変動が起こったのです。図らずもタイトルから類推した内容は的を射ていました。
筆者は、“隕石の衝突、それよって起こった気候変動が恐竜を含む多くの生物を死滅させた”という、科学者の研究(Why)を提示することで(How)、”初めの隕石の衝突が恐竜の死滅に大きな影響を与えたよ”という主張(What)を導いているのです。
ここで今日のReading対策は終わりにします。問題でいうと、7まで解けるので、是非挑戦してみてください。続きはまた後日書きます。
5.Reading の解き方
TOEFL のReading は、このように全部を先に読まなくても、段落ごとに解いていくことが出来ます。必ず問題に「第3段落によると...」、「第20行目のOOOの単語の意味は?」と書いてあるのです。出来ればささっと全部の文章を読んでから解くのが良いのですが、時間が限られるので、ひと段落ずつ、
① 筆者の主張
② それを裏付ける証拠
③ どのように提示されているか
を明確にしながら、問題を解いてみてください。この読み方は、必ず将来役に立ちます。
ぜひコメントもお待ちしています!
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